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グラディウス ポータブル/パロディウス PORTABLE この項では『グラディウス ポータブル』と『パロディウス PORTABLE』の2作品をまとめて扱います(移植の方向性、評価点および問題点が似通っているため)。 GRADIUS PORTABLE 概要(G) 評価点(G) 問題点(G) 余談(G) パロディウス PORTABLE 概要(P) 評価点(P) 問題点(P) 余談(P) 総評 GRADIUS PORTABLE 【ぐらでぃうす ぽーたぶる】 ジャンル シューティング(オムニバス) 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 コナミ 開発元 Konami Software Shanghai 発売日 2006年2月9日 定価 4,980円(税別) 廉価版 コナミ・ザ・ベスト 2007年1月25日/2,800円(税別) 判定 なし ポイント 概ね良移植、一部残念な点が非常に目立つ グラディウスシリーズ 概要(G) コナミの名物シューティングシリーズ『グラディウス』シリーズの5作品を収録した作品。内訳は以下の通り。 『グラディウス』 『グラディウスII -GOFERの野望-』 『グラディウスIII -伝説から神話へ-』 『グラディウスIV -復活-』 『グラディウス外伝』 実際のところ、一部はセット移植の再移植となっているため、収録されているのはソフト3本分。 『I』『II』はPS版『グラディウス DELUXE PACK 』を、『III』『IV』はPS2版『グラディウスIII IV -復活の神話-』をベースにしている。 環境設定のオプション関連が非常に充実しており、「処理落ちのかかりやすさ」「当たり判定」「セミオートパワーアップ」「画面サイズの変更」といった特殊なものも全作に搭載されている。 後述する『実況パロ』からセーブ ロード機能が逆輸入された。セーブ時点での装備・スコアや残機を保持したまま直近のチェックポイントから再開できる。 誰でも1,000万点が達成できるようになるなどバランスを崩しかねないような強力機能なので、ご利用は自己責任で。 ギャラリーモード搭載。PS・PS2版のムービーの閲覧やサウンドテストが可能。 評価点(G) 細かい部分を除けば移植度は高い。 後述する問題点もあるものの、気軽に『グラディウス』シリーズ5作品を遊ぶことができるのは大きな魅力といえる。 セーブ ロード機能を含めた環境設定がユーザーフレンドリーな仕様となっており好評。 セーブ ロード機能は、単にいつでも中断できるというだけではなく、基本的にパターンゲーであるグラディウスシリーズにおいてパターン構築などの大きな助けになるという利点を持っている。初心者がグラディウスシリーズに触れるにはオススメである。 問題点(G) 基本的にPS・PS2版からの再移植という形になるため、PS・PS2版で抱えていた問題をそのまま受け継いでしまっている(とは言ってもこちらは大きな問題はない)。 また、PS・PS2版と比較しても移植度が劣っている部分が存在する。 + 移植度の問題 『グラディウスII』 ゲーム開始時の「Destroy them all!」のボイス削除 オプションハンターの出現タイミングが違う。例えば2面(エイリアン)冒頭で4つめのオプションを装備した場合は本来なら4面冒頭にハンターが出現するが、PSP版では中盤の逆火山地帯まで遅れている。 5面(モアイ)のBGMの変化がAC版より1ループ分早い。サウンドテストの同ステージBGMも仕様変更で通常版+怒り版と怒り版単独という、とても変な楽曲構成になっている。 同時収録のx68k版FM音源はほぼ従来通りだが、こちらの通常版も怒り版が入った本作仕様の構成に。 ゲーム性に直結する劣化は存在しない。 『グラディウスIII』 どの難易度でも当たり判定がAC版から修正されている(PS2版は難易度EASY以下のみ)(*1)。 オプション画面の背景が削除されてしまい真っ暗に。これは『IV』でも同様だが、こちらでは何故かステージセレクトのみ背景が残存している。 スコアアタックモードとHIT DISP(当たり判定表示モード)の削除。 当たり判定の修正により、攻略パターンが変化する箇所がある。おおむね難易度低下。 ビッグコアMrk.IIIの自爆までの時間が短い。原作だと俗に言う「うままうパターン」で反射レーザーを避けた後に画面下部の安置でしばらく待つと自爆といった具合だったが、本作では「うままうパターン」が終わった辺りで自爆する。PS2版EASY設定に相当する。 ヴァイフの口が開いている時間が長い。原作だと口の開いている時間が短かった事から速攻破壊が基本だったが、本作では撃破まである程度の猶予が設けられている。 『グラディウスIV』 これはハードの仕様上仕方が無いのだが、本作の元の解像度が512×384であるためにPSP(480×272)ではカバーしきれず、全体的に潰れた画面となっている。 何故かすべてのボイスや効果音が少し低い音になっている。 3面(泡)の背景の仕様がおかしい。同ステージへの突入時には何故かステージ道中の背景が空中戦と同じく宇宙で変わらず、ステージ内で復活するか途中セーブしたデータで再開しないと背景が変化しない。 他ほどゲーム性や演出には直結していないのが救いか。 『グラディウス外伝』 画面のフラッシュ演出に移植ミスがある。本来フェードイン・アウトや特定ポイントを中心に光る、などの演出がなされるのだが、それらが全て画面全体が真っ白になるというものになっている。 国内版のみのミスであり、海外版では修正されている。 頻繁に入手する青カプセルやボスの撃破演出など様々な場面で影響を見せるが、特に危険なのは3面道中の大型機の撃破時であり、地形や敵などがほとんど見えなくなってしまう。 PSPへの移植に伴い2P同時プレイが削除されてしまった。また、設定で処理落ちをオンにしていると元のPS版にはなかった処理落ちが発生するので、設定で処理落ちをオフにすることをおすすめする。 シリーズ中、一番の劣化移植と言っても差し支えない。 ギャラリーモードのグラディウスIII IVのオープニングムービーのうち、片方が半分ほどカットされてしまっている。 サウンドテストモードでループ設定にすると「一度フェードアウトし、頭から再生される」という謎の仕様となっている。 この仕様は本作のみの仕様となっており、以後のポータブルシリーズはちゃんとループするようになっている。 中断データをロードすると、ランキングや隠し要素の開放といった情報までもが中断時の状態に戻る。 古いデータや他の人の中断データでプレイする時は注意が必要。プレイ後に間違ってオプションデータを上書きしてしまうと悲惨なことに。 この仕様を逆手にとり、オプションデータ保存用の中断セーブを作ることで複数のオプションデータを共存させることは可能。 リセットコマンドでゲーム選択画面へ戻れるが、「プレイ中のゲームのタイトル画面に戻る」ということができない。 各作品のエンディングのスタッフロールは、AC版のスタッフロールが削除され、PSP移植版のスタッフに差し替えられている。 新たなスタッフロールが用意されること自体は問題ないのだが、AC版のスタッフロールが削除された事が問題視された。ちなみに、後に発売された『沙羅曼蛇 PORTABLE』ではAC版のエンディングがそのまま流れ、それとは別に移植版のスタッフロールが用意されている。 余談(G) 海外では『GRADIUS COLLECTION』として発売されたのだが、こちらでは上記の問題点の多くが解消されている。リージョンフリーなので日本の本体でも起動可能。海外のPS Storeではダウンロード版が販売されている。 海外版ではあるものの収録されているタイトルは何故か日本版のままであり、普通に平仮名漢字交じりのタイトルロゴまでそのままである(*2)。 ただし残っている不具合もいくつかある。また、多数の海外ゲーの例に漏れず決定とキャンセルの○と×が入れ替わっている点は要注意。 2023年現在では、作品によっては以下のようなソフトも出ている。これらはオリジナル版の忠実移植である為、該当タイトルだけが目的ならばこちらを選んだ方が楽しめる。 PS4/Switchの『アーケードアーカイブス』シリーズにて『グラディウス』『グラディウスII』『グラディウスIII』が配信。 PS4/Switch/One/Steamの『アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション』に『グラディウス』が収録。 『プレイステーション クラシック』に『グラディウス外伝』が収録。 パロディウス PORTABLE 【ぱろでぃうす ぽーたぶる】 ジャンル シューティング(オムニバス) 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 コナミデジタルエンタテインメント 開発元 Konami Software Shanghai 発売日 2007年1月25日 定価 3,980円(税別) 廉価版 コナミ・ザ・ベスト 2008年3月13日/2,800円(税別) 判定 なし ポイント 権利上の都合で多数のBGMが差し替えられた移植度もところどころ不満が グラディウスシリーズ 概要(P) グラディウスシリーズの派生作品に当たるパロディウスシリーズの5作品が収録された作品。内訳は以下の通り。 『パロディウス ~タコは地球を救う~』(MSX版を元にしたリファイン版。以下『初代』) 『パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~』(以下『だ!』) 『極上パロディウス ~過去の栄光を求めて~』(以下『極パロ』) 『実況おしゃべりパロディウス ~forever with me~』(以下『実況パロ』) 『セクシーパロディウス』(以下『セクパロ』) 本作も基本的にはPS版からの再移植である。ただし『だ!』『極パロ』はPS版そのままではなく、どちらかというとSS版の仕様も取り込んでいる(PS版・SS版双方とも異なる点もある)。 基本的な特徴は『グラディウス ポータブル』(以下『グラP』)に準拠。違いとしては処理落ちの設定がより細かくなったこと、パロディウスシリーズの特徴であったランク上昇速度を半減させるオプションが追加されたこと。 中断セーブの仕様が改善され、スコア・キャラ・ステージ・装備以外の情報は現在のオプションデータの状態を上書きしないようになった。 BGMの大幅な差し替え。著作権が切れていない曲が使用されていたBGMが、一部を除いて変更されている。 + 詳細 『だ!』ステージ4(日本):「剣の舞」→「ハンガリー舞曲 第5番」 「ハンガリー舞曲 第5番」はSFC版で追加ステージのBGMとして使用されていた。 『極パロ』ステージ1(クレーン):「イン・ザ・ムード」→「藁の中の七面鳥」(*3) 『極パロ』ステージ3(お菓子)ボス:「マンボNo.5」→「おもちゃの兵隊の観兵式」(*4) 『実況パロ』ステージ1(ソウル):「ザッツ・ザ・ウェイ」→「BRILLIANT 2U」 どちらの曲も『DDR』シリーズに収録されたことがあり、そのつながりで選出されたものとみられる。 『実況パロ』おまけステージ2(サーキット):「P1-Grand Prinのテーマ」→「PARUTH」 冒頭で「TRUTH」が使用されているため。「P1-Grand Prinのテーマ」はかなりアップテンポな曲だが、「PARUTH」は曲調やテンポが「TRUTH」にかなり寄せられている。 『セクパロ』ステージ1(牧場):冒頭部分を差し替えた上で再アレンジ 冒頭で「北海道は、どこにある?ここにある!」が使用されていたため。それ以外は「アメリカン・パトロール」と「ケンタッキーの我が家」から変更なし。 『セクパロ』ステージ3A(竜宮)ボス:「マイム・マイム」→「コロブチカ」 オリジナル発売当時は民謡(=パブリックドメイン)と考えられていたものが、後に作曲者が1993年に没した人物だと判明した、という経緯がある。2015年に「マイムマイム」をカバーしたシンガーソングライターの柳生伸也氏は「JASRACに問い合わせても著作者が分からず、許可を得るのに大変苦労した」と語っており、本作の発売当時に著作者の許可を取ることはきわめて困難であったことが窺える。 冒頭はFC版『イー・アル・カンフー』のBGMから変更なし。 『セクパロ』ステージ4A(工場):「オリーブの首飾り」→「交響曲第40番」 本作で新規に書かれた曲ではなく、海外版で使用された曲。日本では1996年当時に発売されたサウンドトラックCDに収録されていた。 なお、『実況パロ』ステージ1(ソウル)ボスの「魅せられて」と、同作ステージ4(江戸)の「ダイアモンド・ヘッド」は、原作でJASRACの許諾を受けたうえで使用されたこともあってか、本作でもきっちり許可を取って収録されている。 前者は当時『pop n music 14 FEVER!』で版権曲として収録される関係で、版権を再取得し幸運にも生き延びた可能性が大きい。 評価点(P) 『グラP』同様、ユーザーフレンドリーな仕様は評価できる。 グラPの問題点のひとつであったサウンドテストのループについては改善されている。 中断セーブのオプションデータ問題が改善されたのも嬉しい。 デラックスパックからの移植作は新たに処理落ちの設定が可能になっている。 『実況パロ』のロード時間がPS1版の『forever with me』をベースにしてる為、短縮されてテンポが良くなった。 問題点(P) やはり移植度の問題。特にPS版収録作品に移植度の不満点が多い。 + 移植度の問題 『初代』 リファインモードが搭載されているのだが、『沙羅曼蛇 ポータブル』収録の『グラディウス2』はオリジナル/リファイン両方が収録されていたのに対してこちらはオリジナルが未収録となっている。 敵を撃破した時などの演出がごく普通のものとなってしまった(MSX版では嘘のような話だが「ひでぶ!」などと表示されていた)。 自機側には残っているが、何故かビッグパイパーの「ぼんぶ!」に統一されてしまっている。 なぜかゲームオーバーのBGMだけ、オリジナル版BGMがない。 『だ!』 これはPS版から抱えている問題なのだが、AC版よりもランクが上がりにくく、ランク上昇半減設定が無意味。 同じくPS版から抱えている問題として、黄色ベルを取得した時の得点が実際は表示よりもかなり高い。おかげでエクステンドが起こりやすく、難易度はACより抑えられている。 黄色ベルに限らず1,000点以上のスコア獲得の際、百の位以降が16進数として計算されている模様。本来100,000点のラスボスはなんと409,600点も入る。 ルーレットカプセルを取得した時の効果音が削除された。これは『極パロ』も同様。 さらに、PS版とは違い隠しステージが削除されてしまっている(隠しステージのないSS版をベースにしている為と思われ、コピーライトに1995年の表記も見られる)。 BGMは基本的にAC版準拠になっているものの、PS/SS版同様に1面ボス等の一部のBGMにおけるテンポアップ演出がカットされてしまった。これはアーケードを初出とする3作全てでの問題点でもある。 『極パロ』 PS版から抱えている問題。『だ!』とは逆にランク上昇率がやや高くなっている。撃ち返しが発生するまでには上がらないので大きな問題はない。 このタイトルのみ、サイズをオリジナルにしてもドットバイドット表示にならずに微妙にボケてしまう。 『グラP』同様、EDのスタッフロールがオリジナル版からPSP移植スタッフの物に差し替えられているが、スタッフロールの尺がEDと合わず、曲が終了する前にEDが終了してしまう。従ってEDの曲を最後まで聴くにはサウンドテストでしかない。これは『実況』も同様。 これは仕方ないが、SFC版限定だった追加キャラ(ゴエモン エビス丸・ドラキュラくん キッドドラキュラ・ウパ ルパ)はやはり使用できない。 この影響で、歴代プレイヤーキャラクターの中で唯一エビス丸のみ出演できないという事態になってしまった。 差し替え後のBGMについて。 「ザッツ・ザ・ウェイ」や一部で大人気の「マイムマイム」など、よりによって人気のある曲ばかりが差し替えられたため、一部のファンの怒りを買うこととなってしまった。多少価格が高くなってもいいからBGMは変えないで欲しかった、という声はちらほら聞かれる。 『だ!』4面の新曲は同作のBGMの特徴である「FM音源」「ドラム」を全く踏襲しておらず、明らかに他の曲と比較すると浮いてしまっている。 原曲自体はSFC版の追加ステージと同じなので、曲のチョイス自体が浮いているわけではないのだが、SFC版当時のアレンジはちゃんと他の曲と作風を合わせたアレンジだったため、それほど違和感はなかった。 サウンドテストに所々不満を感じる仕様がある。 カーソルが、方向キーを押してから離さないと動かないという不可解な仕様になっている。そのため、スクロールが遅い。 上記の通り、曲をループさせて連続で再生させることが出来るようになった(*5)…が、一部の曲の途中でループしてしまう曲が存在する。 例えば本作で差し替えられた『極パロ』のステージ1BGMなど。 この症状はゲームプレイ中には起こらない為、サウンドテストを担当したスタッフの設定ミスと思われる。 2人同時プレイの削除。 タイトル画面を放置すると2人プレイをしているデモが見られるのに、実際はプレイ出来ないので余計にタチが悪い。 一応2プレイヤー側で1人プレイする事は出来る。『実況パロ』では実況も変わる。 エンディングのスタッフロールも『グラP』同様差し替えである。 余談(P) CEROのレーティングはC区分(15歳以上対象)。アイコンは当然(?)セクシャルである。 かつてニコニコ動画の音MADの素材として、『セクパロ』1面の新曲が流行した。 本作発売当時は諸事情による差し替えが行われた背景もあり、この曲の評価も低かった。しかし音MADが流行しこの曲の知名度が上がり出すと、この曲自体にも「良曲」「中毒性が高い」等といった高評価がつくようになった。 パッケージイラストは『ツインビーPORTABLE』同様、キャラクターデザインを担当(『セクパロ』では企画も兼任)した、Shuzilow.HAこと濱川修二郎氏。こちらも当時とは画風が異なっている。おそらくは狙ってそういった風に描いているのかと思われるが、 ちちびんたリカの顔がなんとなく怖い。 総評 それぞれ5本もの作品を(当時)最新の携帯機向けに移植したという試み自体は評価されて然るべきものであるし、その移植度も十分及第点に到達している。 しかし、ところどころ粗が目立つのは事実であり「移植の再移植」という形となったために、今度こそAC版を忠実に移植して欲しいというファンの願いが叶えられることはなかった。 特に『だ!』に関してはAC版の難易度まで含めた完全移植が現在入手困難なX68000版のみであるという問題を抱えており、更に20年以上前のゲームである為に稼動しているゲーセンも少なく、現状では当時のままのものを遊ぶことが非常に困難になってしまっている。 M2に外注した結果、原典に非常に忠実な移植となった『沙羅曼蛇 PORTABLE』『ツインビー PORTABLE』の方が高い評価を受けているのは、内製であった『IV』とトレジャーに外注した『V』では後者の方が高い評価を受けたのを彷彿とさせるような皮肉な結果である。 とは言っても、そのユーザーフレンドリーな仕様は初心者にはうってつけ。 初めてグラディウス・パロディウスシリーズに触れるきっかけとしては決して悪くない作品である。
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海沿いの街道を走る一台の車――その漆黒の車体は、今は夕焼け色に染まっている。 水平線に沈む夕陽を窓ガラス越しに眺めながら、ティアナは重い息を吐いた。 戦闘終了後、事件の重要参考人として任意同行を求められたティアナとスバルは、試験官の一人――フェイトの運転するこの車に乗って、今どこかに向かっている。 ラゼンとラガン――ティアナとスバルが偶然発見し、文字通り二人の手足となってムガン相手に戦った謎の大型ガンメンは、なのはと共に試験会場に残った。 今は時空管理局からの回収部隊の到着をまだ現場で待っているか、或いは既に引渡し手続きを完了して本部に搬送されているかのどちらかだろう。 あの二体のガンメンを本局がどう扱うか――質量兵器として解体されるか、ロストロギア扱いで封印されるか――は、末端の新人に過ぎないティアナ達には解らない。 どちらにしても、本局に没収された二体のガンメンに今後自分達が関わることは、ラゼンとラガンにもう一度会うことは不可能だろう。 結果的に乗り捨てる形で別れてしまった『相棒』達の顔は、少しだけ寂しそうに見えた気がする。 馬鹿馬鹿しい……ティアナは頭を振って己の感傷を否定した。 インテリジェントデバイスならいざ知らず、ただの機械に感情などある筈がない。 自分は些かあのポンコツ共に感情移入し過ぎている、あの悪趣味なロボに情が移ってしまっている。 そんな余裕など無いのだ……ティアナは思考を無理矢理切り替える。 質量兵器――その運用に魔力を用いない兵器の存在を、時空管理局は許容していない。 ミッドチルダでは保有するだけで重罪となる質量兵器で、しかも本来ならばそれを取り締まるべき立場の筈の自分達が、派手に大立ち回りまで演じてしまった。 穴があったら入りたい、寧ろ穴を掘って埋まりたい……暗い思考の無限螺旋に陥るティアナを、隣のスバルがじっと見つめる。 車に乗り込んでから、スバルもまた一言も口を開かず、珍しく真剣そうな顔で物思いに沈んでいた。 普段は馬鹿で能天気なこの相棒も、流石に今回は事態の深刻さに思うところがあるらしい。 言ってみなさいよ……何かを言いたそうに自分を見つめているスバルに、ティアナはそう眼で語りかけた。 「ティア、あのさ……」 ティアナのアイコンタクトに首肯を返し、スバルは神妙な面持ちで口を開く。 「――ラゼンガンの色を、赤に変えてみたらどうかと思うんだ」 その瞬間、ティアナの時は止まった。 「…………は?」 思わず間抜けな声を返すティアナにスバルは続ける。 「あたしずっと考えてたんだけど、ラゼンガンってやっぱりどう見ても見た目悪役じゃん? 顔も怖い上に色まで真っ黒で、小さな子供が見たら絶対泣くよ、アレは。 悪役ロボにも浪漫はあるけど、やっぱり乗るなら正義のヒーローっぽい方でしょ。 顔を変えるとなると装甲全部剥がさなきゃだけど、色変えるだけならペンキ塗り替えるだけでお手軽だし、赤く塗ってもあの子なら絶対似合うよ。男前だもん、ラゼンガン! それで何で赤かとゆーと、あの子って主人公よりもライバルっぽいし、だったら赤が鉄壁でしょ。理屈じゃないんだよ、これは。 赤く塗って速さ三倍、でも現実には1.3倍! その意気込みで」 真面目な顔で馬鹿なことを語るスバルに、ティアナの理性が焼き切れた。 「……こ、の、馬鹿スバル! アンタはどこまで馬鹿なのよ!! そんな馬鹿なことに頭使う前に、もっと他の大切なことに心砕きなさいよこの馬鹿!!」 「ラゼンガンを馬鹿にするなぁーっ!!」 「変なところで逆ギレするなぁーっ!!」 ぎゃあぎゃあと後部座席で揉め合う二人の新人を、はやては助手席からミラー越しに見遣り、「元気やねー」と微笑した。 小高い丘の上に、巨大な顔が乗っている……。 窓の外に見えるその風変わりな建物――螺旋研究所が、どうやらフェイト達の目的地らしい。 「ふえぇ~、でっかぁー……」 感嘆の声を上げるスバルに、ティアナも素直に同意した。 「はやてさん、……あれもガンメンなんですか?」 あんなものが動き出したら、周辺住民の混乱は一体どれ程のものになるだろう……。 畏怖と不安を多分に含んだティアナの問いにフェイトは吹き出し、はやては声を上げて笑う。 「まさか! あのデザインはただの趣味やろ」 「幾らあの人でもそこまで無茶なことはしないよ」 「え~、そんなぁー……」 笑いながらそう否定する二人の言葉に、スバルが残念そうに肩を落とす。 「「……多分」」 ぼそりと続けられた二人の呟きを、ティアナは聞かなかったことにした。 四人がそんなやり取りをしている間に車は坂道を上りきり、目的地に到着する。 フロントガラスの向こうに聳える巨大な顔、その口の部分が音を立てて開き、眼鏡をかけた赤毛の女性――シャリオが四人を出迎える。 「皆さん、螺旋研究所へようこそ。フェイトさんもはやてさんもお久しぶりです」 「シャーリー、久しぶり」 「三ヶ月ぶりやろか? 元気そうで何よりや」 友人達と挨拶を交わし、シャリオはスバル達へと顔を向けた。 「そっちの二人ははじめましてだね。私はシャリオ・フィニーノ、気軽にシャーリーって呼んでね」 そう言って人懐こい笑顔を浮かべるシャリオに、スバルとティアナも肩の力を抜く。 「あ、はじめまして。スバル・ナカジマです」 「ティアナ・ランスターです」 スバル達と交互に握手を交わすシャリオを眺めながら、ふとフェイト達はこの場に肝心な人物が欠けていることに気付いた。 「ねぇ、シャーリー。……ロージェノムさんは?」 「所長なら研究所の奥で待ってます」 研究所の責任者の姿を探すフェイトに苦笑しながらシャリオは答える。 「立場的に言えばあの人がお出迎えしなきゃなんですけど、あの髭面見て皆が回れ右しちゃったら洒落にならないから」 屈託ない笑顔で中々黒いことをのたまうシャリオに、スバルとティアナは顔を引き攣らせ、逆にフェイトとはやては納得したように目を逸らした。 夕焼け色に染まる山肌に仁王立ちするマッシヴな髭親父……嫌だ、嫌過ぎる。 「じゃあ二人も納得してくれたところで、皆中に入りましょうか?」 そう言って先導するシャリオに続いて、スバル達も研究所内部へと足を踏み入れた。 薄暗い廊下を進み、広い部屋へと抜ける……。 その最奥、巨大なモニターの前で待ち構える男の姿に、スバルとティアナは思わず固まった。 3m近い巨身、白衣の上からでも分かる筋骨隆々の肉体、濃い髭に覆われた口元は真一文字に引き結ばれ、禿頭は天井からの光を浴びて照り輝いている。 ……プロレスラーが、科学者のコスプレをしていた。 シュールを通り越してホラーの領域まで達しているその光景に本能的に回れ右をするスバル達を、オーバーS級魔導師二人のバインド魔法が拘束する。 「あ、あの……フェイトさん? はやてさん?」 「な、何か任意同行が強制連行にクラスチェンジしたよーな気がするのはあたしだけでしょーか!?」 「こらこら、どこへ行くの?」 「逃げたらアカンで? 二人とも」 狼狽えるティアナとテンパるスバルに、フェイトとはやては笑いながら釘を刺す。 その笑みは、限りなく邪悪に染まっている。 うわぁ、この人達絶対楽しんでるよ……この時になって漸く二人は、自分達がとんでもない虎穴に足を踏み込んでしまったことを知った。 「ほな、話して貰おか?」 来客用のソファに腰掛け、はやてはそう切り出した。 その漠然とした言葉に、反対側のソファに座るスバル達は顔を見合わせる。 話すとは、一体どこから、何を話せば良いのだろう……? 数秒の逡巡の後、スバル達は取り敢えず、ムガンに襲われたところから話し始めることにした。 試験中、突如ムガンの襲撃を受けたこと。 落下してくるムガンにスバルが立ち向かい、そして見事撃破したこと。 その時にスバルが見せた驚異的な「力」――ティアナはそれをスバルの秘密、戦闘機人としての力の発現と推測している――については、矛先をかわすことを忘れない。 そして地面の崩壊に巻き込まれ、落ちた地下空洞でラゼンガンに出会ったこと。 そしてそれに乗って地上に戻り、ムガンの大群をほぼ全滅まで追い込んだこと。 全てを話し終えたスバル達に、フェイト達の後ろで話を聞いていたロージェノムが口を開く。 「……それだけではないだろう」 重々しく紡がれたその一言に、ティアナ達の肩が大きく震える。 まさかスバルの秘密に感づかれたのか……? 絶望的な表情を浮かべてロージェノムを見上げるスバル達だったが、しかし目の前の巨漢の言葉は別の方向へと続いた。 「ラゼンガンは魔力炉を搭載しているが、それはあくまで補助動力だ。主動力炉――螺旋エンジンの稼動、何より中枢システムであるラガンの起動には「鍵」を必要とする。 お前達は持っている筈だ、ラゼンガンを目覚めさせる「鍵」――コアドリルを」 そう言ってロージェノムが白衣のポケットから取り出した何か――金色に輝く小さなドリルに、スバル達は息を呑んだ。 「それ、スバルのペンダントと同じ……」 呆然と呟くティアナに突き動かされるようにスバルは胸元に手を突っ込み、ペンダントを引っ張り出す。 ロージェノムの手の中を転がるコアドリルとスバルの手の中に握られるコアドリル、二つのコアドリルはまるで共鳴するように明滅を始める。 「これ……一体何なんですか?」 ティアナの口にした疑問の言葉に、ロージェノムではなくはやてが口を開いた。 「コアドリル。螺旋力――気合いをエネルギーに変える力を増幅させるロストロギアや」 「気合いをエネルギーに変える力……ですか?」 頭の上に疑問符を浮かべるスバル達に、はやては首肯と共に続ける。 「そや。このロージェノムさんの世界では魔力の代わりにその螺旋力を利用した文明が発達しとってな、この螺旋研究所ではその技術を魔法理論に応用する研究をしとるんや」 ガンメンもその研究の成果なんやでーと話すはやての言葉を、二人は感心したような表情で聞き入る。 しかし不意にあることに気付き、スバルが慌てたような顔で声を上げた。 「って、ちょっと待って下さい! このペンダントがロストロギアだってことは、コレ本部に没収されちゃうってことですか!? 嫌ですよあたし、そんなの!!」 駄々を捏ねる子供のようなスバルの突然の言動にはやて達が唖然とする中、ティアナがフォローを入れるべく口を開いた。 「このペンダントはスバルの宝物なんです。四年前の空港爆破テロの時、命の恩人から貰った大切な物だっていつも話してました」 「そうなんか?」 はやての問いにスバルは首肯し、当時の体験を話し始めた。 崩壊炎上する空港の奥に独り取り残されたこと。 熱さと苦しさと心細さに泣いている自分の前に『あの人』が現れ、そしてこのコアドリルを託してどこかへ消えたこと。 お前の拳は天を突く――『あの人』の口にしたその言葉に励まされ、上を向いて歩けというその教えに突き動かされて今まで生きてきたこと。 全てを語り終えたスバルを、ロージェノムが驚愕の表情――余りに微妙な変化だったので、シャリオ以外は気付かなかったが――で見下ろしていた。 「……シモン」 ぽつりと呟かれたその名前に、はやて達が顔を上げる。 「シモンって……所長が前に話してた穴掘りの人ですか?」 事情を知る面々を代表して問うシャリオに、ロージェノムは重々しく頷く。 「知ってるんですか!? あの人を!!」 驚愕にソファから立ち上がるスバルと、話の展開に置いていかれているティアナを交互に見遣り、はやてはやんわりとした笑みで頷いた。 「判断材料不足で断定は出来へんけどな。シモンさんっちゅーのはロージェノムさんの世界の英雄で、恋と気合いで宇宙を救った男や。 ロージェノムさんと一緒に戦っとったって話やし、その時炎とグラサンのエンブレムつけたコートも着とったって話やから、可能性としては有り得へん話やない」 はやての言葉に、スバルは放心したような顔で再びソファに身体を沈めた。 「さて、それじゃあ今度は二人の今後のことなんだけど……」 話が一段落したところで、今度はフェイトが口を開いた。 「今回ムガンの襲撃で中止になった二人の昇級試験は、近い内に再試験ってことになると思う。詳細は追って連絡するね。 ラゼンガンの無断運用については、あの状況では仕方の無い行為だったし、それにアレをあんな場所に放置したロージェノムさんが全面的に悪いから、二人に責任は無いよ」 再試験、お咎め無し。 特に後者を耳にして、ティアナは大きく胸を撫で下ろした。 「で、や。ここからが本題なんやけど……」 フェイトから話の主導権を取り戻し、はやてはそう言いながら二人に顔を近づけた。 「実はウチな、今度新しい部隊創るんよ。 なのはちゃんもフェイトちゃんも、シャーリーとロージェノムさんも、皆その部隊に入ることになっとるんやけど……二人も一緒にどうや?」 新部隊への勧誘……はやてからの突然の誘いに、スバル達は思わず顔を見合わせた。 「何で、いきなり訊くんですか? そんなこと……」 控えめに尋ねるティアナに、はやては何かを含んだような笑みでこう答える。 「元々二人のことは目を付けとったんよ。それと昼間のアンタら見てて、これは是非とも欲しいなー思うた」 逃がさへんよーと笑うはやてに、二人はまたもや顔を見合わせる。 「それで、その部隊はどんな部隊なんですか?」 良くぞ訊いてくれました……はやてはソファから勢い良く立ち上がり、拳を握りながら名乗りを上げる。 「遺失物管理部機動六課――根気と根性でロストロギアを回収して、気合いでアンチスパイラルとガチ合う超実動実戦部隊や!!」 「どっちかというと、後者の方が本音っぽいかな?」 簡略的極まりないはやての言葉に、フェイトが横から補足を入れる。 「この数ヶ月間の螺旋研究所の調査で、ムガンの出現パターンが大体分かってきたの。 レリックとコアドリルという二つのロストロギア、そしてスバルちゃんみたいな強い螺旋力を持つ人間、そのどれかのある場所に、ムガンは現れる……。 私達機動六課はムガンの出現予測地点を先読みしてこれを撃破、ロストロギアの確保やターゲットにされた人間の保護を目的としているの」 フェイトの説明を表情で聞き入るスバルが、その時口を開いた。 「……じゃあはやてさんの部隊に入れば、あの人に会えるってことですか?」 螺旋力については未だよく解らないが、コアドリルを持っていた『あの人』もきっとその持ち主なのだろう。 機動六課はそんな人間を保護するのが仕事、ならばあの人に出会える可能性は高い。 「断言は出来ないけど、可能性はあるね」 フェイトの返答に、スバルの決意は固まった。 「……やります! やらせて下さい!!」 「スバル!?」 あっさりと決断した親友にティアナが声を上げるが、スバルの瞳の奥に渦巻く決意の炎に揺らぎは無い。 駄目だ、これはもう梃子でも動かない……諦めたようにティアナは嘆息し、「アタシも」と機動六課入隊に了承の返事を返す。 「ティア?」 驚いたような顔で自分を見つめるスバルに、ティアナは苦笑しながら肩を竦める。 「アンタ一人じゃ危なっかしくて見てられないからね、アタシがフォローしなくて誰がするのよ? それにアタシにも夢がある、出来ることがあれば何でもやっとかなくちゃね」 執務官を目指すティアナにとって、現役執務官のフェイトの下という環境は大きなプラスとなる。 感謝しなさいよーと指先でスバルの頬を突くティアナに、はやては「決まりやな」と破顔する。 「それじゃー二人は今日から機動六課の前衛兼、対ムガン用魔導兵器ラゼンガンのパイロットや」 「「ラゼンガン!?」」 思いがけない名前が思いがけないタイミングで再登場したことに、二人は思わず声を上げる。 話の流れからあのロボがこの研究所の物であるということは薄々分かっていたが、まさか自分達がそのパイロットになってしまうとは思いも寄らなかった。 「ラゼンガンの起動にコアドリルは必要不可欠らしいから、スバルちゃんのそれは自分で持ってて良いよ」 「本部に行けばぎょーさんあるんや、一個や二個着服しても誰も文句は言わへんて。どーせロージェノムさんが来るまで使い方も分からん代物やったしな」 フェイトとはやての言葉に、コアドリルを握り締めていたスバルの手から力が抜けた。 「それじゃあ正式にラゼンガンを任されるおとになった二人だけど……」 ラゼンガンの所有者であるロージェノムを無視して、シャリオはスバル達に項を向ける。 「何かアレについて二人から希望とか意見とかあるかな?」 シャリオの問いに、二人は同時に口を開いた。 「シートベルトを付けて下さい!」 「ラゼンガンの色を赤にして下さい!!」 二人の答えにシャリオ達三人は爆笑し、ロージェノムは独り何かを言いたそうな顔で沈黙していた。 天元突破リリカルなのはSpiral 第5話「皆さん、螺旋研究所へようこそ」(了) その後……。 「さて、それじゃー話も終わったことやし……」 ソファから立ち上がり、はやてはその場の全員を見回しながら口を開いた。 「――皆、後片付けに戻ろか?」 そう言ってはやてが指差した先――未だ点け放しの壁面モニターには、更地と化した第七特別演習場の惨状が映し出されていた。 戻る 目次へ 次へ
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必勝パチンコ★パチスロ攻略シリーズ Portable Vol.1 新世紀エヴァンゲリオン ~魂の軌跡~ ID+ゲーム名持ち枚数 プレイ数 前回のボーナス ID+ゲーム名 _S ULJS-00295 _G Hissyoh Pachinco Portable Vol.1 Neon Genesis EVANGELION 持ち枚数 _CO MochiMaisu _L 0x203ACC68 0x00001388 プレイ数 _C0 Play Count _L 0x203ACC9C 0x000003E8 前回のボーナス _C0 Bonus _L 0x203ACC94 0x00002328
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autolink NA/W12-022 カード名:怒涛の質問攻め カテゴリ:イベント 色:黄 レベル:2 コスト:0 トリガー:0 あなたは自分の山札を見て《クローン》?のキャラを1枚まで選んで相手に見せ、手札に加える。その山札をシャッフルする。 ええと、あの・・・・・・その・・・・・・っ レアリティ:C illust.柏餅よもぎ 《クローン》?限定サーチイベント。 魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1stや魔法少女リリカルなのはA sの「フェイト」?は ほぼ確実に《クローン》?がついているため、実質2/0のフェイト専用サーチと考えれば悪くはない。 ただし、魔法少女リリカルなのはStrikerSの「フェイト」?には《クローン》?はついていない。 サイド構築等で「フェイト」?限定で構築する際にはきちんと特徴を確認した上で採用するように。 ・関連ページ 《クローン》?
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ディバインシューター(練習用) 魔力を集め、弾丸として打ち出すのはミッドチルダ式戦闘魔導師の基本中の基本。 なのはのディバインシューターは、その基本魔法に「誘導制御」を付与した誘導弾であり、なのはにとってはかつてのPT事件を戦い抜くために多用した主力の魔法でもある。 現在、自動誘導の機能は「術者の制御範囲から出してしまわないようにする」程度に押さえてあり、 その分、術者の思念操作に敏感かつ正確に応える操作性能を高めた設定になっており、「アクセル」のコマンドで弾体を加速することも可能にしている。 呪文は「福音たる輝きこの手に来たれ。導きのもと鳴り響け」 ラウンドシールド 戦闘魔導師が多用する、魔法陣を直接「盾」として使用する防御魔法。 防御面が魔法陣の向いた一方向のみに集中する分、防御力は高く、特に炸裂・貫通等系の攻撃に対して優れた制止力を持つ。 なのはは生来の防御出力の高さに加え、補助系魔法を得意とする結界魔導師のユーノが直接の師であることも手伝って、防御系魔法の練度が高い。 この盾を、なのははレイジングハートの助けなしでも両手同時発動で使いこなすことができている。 バリアジャケット着装 ミッドチルダ式の戦闘用防護服「バリアジャケット」の瞬間着装。 魔力によって編み上げられた衣服自体のみならず、その周辺に生成される不可視の防御フィールドによって衝撃や温度変化・魔力攻撃から術者の身を守る。 ディバインシューター レイジングハートのサポートを得て、全力で扱えるようになっているディバインシューター。 詠唱が不要となり、弾体速度と威力が飛躍的に向上している他、バリア貫通の効果も持っているため、防御の上からでも相手の魔力を削る強力な攻撃魔法である。 なお、なのはの攻撃魔法は基本的に物理破壊を伴わない非殺傷性魔法であり、対象の魔力のダメージを与えることで行動不能、あるいは昏倒させることを目的としている。 フライアーフィン なのはの飛翔魔法。魔力リソースが少なく、制御ミスによる落下や激突の危険が少ないかわり、空中機動性はさほど高くない。 その分、瞬間加速性能と最大速度に優れる飛行性能は自分の距離で足を止めて攻撃することが多いなのはにとっては最適な飛翔魔法と言える。 フラッシュムーブ フライアーフィンの特殊運用。脚部翼状フィンへの魔力追加により、瞬間的に爆発的な加速を行う。直線、もしくはゆるいカーブの軌道でのダッシュが可能。 ディバインバスター シューティングモードから放つ、なのはの主砲にして、一撃必倒の砲撃魔法。高めた魔力を環状魔法陣で増大・加速、対象目がけて一気に打ち出す。 バリア貫通の効果が付与されており、防御の上からでも容赦なく魔力を削り取る威力を持つ。 プロテクション ラウンドシールドよりも防御範囲が広く、より汎用性の高い防御魔法。 なのははこの魔法をオートガードに設定しており、なのは本人が咄嗟に魔法を発動できない際などは、レイジングハートが自己の判断で発動することもある。 リアクターパージ なのはのバリアジャケットの最終防御機能。防御限界を超えるダメージを受けた場合、自ら爆散することで衝突のエネルギーを相殺し、反らすことができる。 破壊されたジャケットの修復は戦闘中には困難であるため、術者の身を守るための最後の手段と言える。 封鎖領域 「魔法の監獄」の意味を持つ、ベルカ式の結界魔法。「術者が選択した条件に見合う対象」のみを残して時空間を切り取る。 監獄の名が示す通り、「結界内に閉じこめた相手を脱出させないこと」を主な目的としている。そのため、外部からの侵入は比較的容易だが、中からの脱出は極めて困難。 テートリヒ・シュラーク ベルカの騎士にとって、「武器攻撃に自らの魔力を乗せ、威力を高めた攻撃を放つ」のは基本中の基本。 ヴィータのこの技も同様で、鉄槌のアームドデバイス・グラーフアイゼンに自らの魔力を乗せ、単純な打撃に爆発的な破壊力を持たせている。 防御の上からでも吹き飛ばすその威力によって、命中・防御にかかわらず対象を容赦なく破壊する。技名は「痛烈な一撃」の意。 パンツァーシルト ラウンドシールドと同系の、魔法陣による盾。防御面は一方向のみだが、主に魔力攻撃に対して高い防御力を持つ。 シュワルベフリーゲン グラーフアイゼン・ハンマーフォルムから放つヴィータの射撃魔法。 ベルカ式魔法は、接触した物体に魔力を付与することに特化した魔法技術体系であり、魔力を体や物体から離したり、単独で飛ばしたりすることをほとんど想定していない。 そのため、遠隔攻撃は必然的に投擲や有線武器、実体を伴う射撃武器の延長上にあるものとなる。 「飛翔する燕」の名を持つこの攻撃魔法は、鉄球に飛翔・誘導制御・バリア貫通・着弾時炸裂といった効果を与え、ハンマーヘッドよって打ち出すことで成立する。 ラケーテンハンマー グラーフアイゼン・ラケーテンフォルムから放つヴィータの打撃攻撃。 魔力カートリッジを使用し、それを燃料として後部噴射口から推進剤を噴射、回転の遠心力も合わせて打撃力を高める。 ヴィータ本人の飛翔加速にも使用することができ、鋭いダッシュが可能となる。さらに鋭い先端部は対象の防御に食い込み、受け流すことを困難にしている。
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配信名 アニメOP_ED ジャンル アニメOP_ED垂れ流し 性別・年齢 マイク 無 配信者ページ http //livetube.cc/yabu 掲示板(仮) http //yy65.60.kg/yabu/ ▼実況作品名など アニメ全般 +▽2008/10/15▽ ワンピース OP7,8 墓場鬼太郎 OP ED 灰羽連盟 OP ED 乃木坂春香の秘密 OP ED 超重神グラヴィオン OP 超重神グラヴィオンZwei OP ED 逮捕しちゃうぞ2nd OP ED 魔術師オーフェンRevenge OP1,2 ED1,2 +▽2008/10/11▽ School Days OP うたわれるもの ED セキレイ ED2 モノノ怪 OP ワンピース OP10 魔法少女プリティサミー ED2 機甲戦記ドラグナー ED1 俗・さよなら絶望先生 ED3 +▽2008/10/07▽ FREEDOM OP MEZZO-メゾ- OP ED サムライチャンプルー OP ED ソウルイーター ED3 だぁ!だぁ!だぁ! OP1,2 ED1,2 テイルズ オブ ジ アビス OP ED とらドラ! ED のだめカンタービレ OP ポポロクロイス OP1 メジャー2期 ED1 鉄のラインバレル ED 逮捕しちゃうぞ OP1,2 逮捕しちゃうぞフルスロット OP ED 恋姫†無双 OP ED 銀魂 OP6 魔法少女リリカルなのは ED 魔法少女リリカルなのはA s ED 名探偵コナン OP6 +▽2008/10/04▽ CLANNAD -AFTER STORY- OP ED GTO ED1,3 キャシャーンSins OP ED デルトラクエスト OP1,2,3 ED1,2,3,4,5 ぱにぽにだっしゅ! OP1,2,3 ED1,2,3,4 光と水のダフネ OP ED 火魅子伝 OP
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autolink N1/WPR-001 カード名:魔法少女 なのは&フェイト カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《武器》? 【起】[①]あなたは相手の前列のレベル0以下のキャラを1枚選び、控え室に置く。 なのは「――伝えたいことが、あるんだ」 レアリティ:PR illust.- 2009/7/30発売メガミマガジン 1コストを払って相手の前列のレベル0以下のキャラを1枚控室に置く能力の純カード。 名前に「なのは」?、「フェイト」?が入っており色々な恩恵を受けやすく、特徴も良い。 勝てないレベル0キャラや相打ち持ちを消したり、勝てるキャラには正面衝突できる。 中々小回りの利くカード。 ちなみにイラストはなのはシリーズでは初となるPROJECTモノである。 (絵師はA sとStrikerSの漫画版を担当した長谷川光司。劇場版のコミカライズも担当することが決定している) なお、魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1stがWSに参戦決定。 同時にゲーム化も決定、そして映画もありファンには諭吉とお別れの覚悟をしなければならない冬になるだろう。 ・関連ページ 「なのは」? 「&」? 「フェイト」?
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「姫矢さぁん!」 光の中に消えていくウルトラマン―姫矢准。僕はただ、彼の名を叫ぶことしか出来なかった……。 ダークメフィストこと溝呂木眞也と姫矢を包む消滅を告げる光が、異空間の暗い空を満たしていく。それはこの 一連の事件の終焉を示すものでもあり、また―……。 「ここは……何処だ?」 ウルトラマンで‘在った 者、姫矢准にとっては新たな始まりを意味していた。 鳴海の岸に流木と共に漂着していた彼の手には、デュナミストの証がしっかりと握られていた。それの僅かな鼓動と 共に、彼はこの世界で眼を覚ます。 手に入れたのは光の力。出会いと別れ。悲しみを知る彼が不屈の心を持つ少女と出会う時、新たな絆が生まれ来る。 魔法少女リリカル☆なのは~NEXUS~ 始まります 目次へ 次へ
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必勝パチンコ★パチスロ攻略シリーズ Portable Vol.1 新世紀エヴァンゲリオン ~魂の軌跡~ ID+ゲーム名持ち枚数 プレイ数 前回のボーナス ID+ゲーム名 _S ULJS-00295 _G Hissyoh Pachinco Portable Vol.1 Neon Genesis EVANGELION 持ち枚数 _CO MochiMaisu _L 0x203ACC68 0x00001388 プレイ数 _C0 Play Count _L 0x203ACC9C 0x000003E8 前回のボーナス _C0 Bonus _L 0x203ACC94 0x00002328
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パンドラの箱、もしくは始まりの唄 ◆jiPkKgmerY その空間にある唯一の光源は、女の前の宙に浮かぶ半透明のディスプレイだけであった。 照らされる範囲はほんの僅か。女性の顔と上半身のみ。部屋の様子は分からない。 まるで能面のように無表情な女は、淡々とディスプレイに浮かぶキーボードへと指を走らせる。 同時に現れる何行にも及ぶリスト。 ――高町なのは(19) ――高町なのは(9) ――フェイト・T・ハラオウン(19) ――フェイト・T・ハラオウン(9) ――八神はやて(19) ――八神はやて(9) ・ ・ ・ ・ ・ 長々と続いていくそれらを眺め、女の表情に漸く変化が表れる。 と、いってもそれは一瞬。直ぐさま元の能面に戻り再度ディスプレイを見始める。 そして数分後スクロールが一番下まで到達。画面に浮かぶリスト、その全てを見終えた。 「現段階での死亡者は十一……予想以上に……」 ――その表情が歪に変化する。 先程と同じ、いや先程よりも歪んだ微笑み。 何が嬉しいのか、女は悪魔のような形相で笑っていた。 「そして…………案外呆気ないものね」 女の呟きと同時にカーソルが移動、ある人物の位置で止まる。 そこには赤文字で書かれた一人の少女の名前――高町なのは。 かつて女の夢を、野望を阻害し、最終的には女を打ち破った幼い魔導師。 十年後の未来にはエース・オブ・エースという肩書きを得ることになっている、歴史上稀に見る、屈指の天才魔導師。 だが前途あるその少女は――死んだ。 この殺し合いの中たった六時間と生き抜く事すら出来ずに、アッサリとその首を跳ね飛ばされ死んだ。 正直に言えば拍子抜け――――だがある種の満足感もある。 最後に少女が上げた絶望の叫び。 自分のミスにより仲間を死なせた――その自責の念から飛び出した絶叫。 最高だった。 ある種の絶頂感が身体を包み、鳥肌すらたった。 何処までも自分を阻害したあの純粋な瞳。何処までも他人を信じ、そして最期に裏切られ、命を落とした。 ――いい気味だ。 あの甘ちゃんにはあの様な無様な死に方が一番似合っている。 「残り四十九…………あら、丁度誰か死んだみたいね」 女の目の前で、ディスプレイに映った名前の内一つが、白色から赤色に変わる。 その現象が示す意味は明快。その名前の主のゲームオーバー、即ち死だ。 「開始六時間で全体の五分の一が死亡……」 ポツリと呟くと共に、女が画面に指を伸ばす。 そしてその指が触れると同時に、それまでのリストから別の画面へて移り変わった。 現れるは、背景が白一色に染められた画面。 画面の上部には赤色の文字。中部には一定の間隔を置き青色の文字が並んでいる。 「彼も『これ』の存在に気付いたみたいだし……まだまだ楽しませてくれそうね」 それはプレシア自身が造ったものであった。 その名も『CROSS-NANOHA』――全ての始まりとも言えるサイト。 女は思い出す。 このゲームを開催するきっかけとなった世界の事を。 あの不思議な世界。女が見た様々な世界の中でも、群を抜いて異質だったその世界の事を。 バトルロワイアルという名の狂気の宴。 その始まりの唄はその世界が有していた――。 □ 世界は広い。 アルハザードの力を手に入れ、尚一層この思いは強固になっていった。 不可能と言われた時間軸の移動も、管理局の技術力では到底辿り着く事ができない次元世界への移動も、楽々と実行できるアルハザードの力。 不可能を可能とする、まさにその言い伝え通りの、いや言い伝え以上の働きをこなしてくれる。 地道な研究を通して未開の世界を開拓している管理局の魔導師達が馬鹿らしく思える。 辿り着いてしまえば何の事はない。此処こそが、アルハザードこそが理想の終焉。 全てを超越し全てを叶える力が、此処にはある。 努力や才能などは、その力に追随する事すら許されない。何物すらも圧倒する究極の力――――それを私は手にした。 そして、力を手に入れ自分は知った。 自分が知っていた世界の矮小さを。 あまりに広い世界のことを。 ――世界は広い。 傍観しているだけで心が踊る世界が、次元の海を越えたそこには星の数程も存在した。 ――例えば、この世界。 数多の海賊達が世に蔓延り、皆が皆それぞれ夢・理想・野望を叶えるために旅を続ける不思議な世界。 地球であり地球でないその世界に存在する『偉大なる航路』。 海賊王を夢見て、あらゆる荒くれ者達が集結する航路。 自分が知る地球とはまた違う、夢見る者が溢れる夢のような世界。 そんな世界も、あった。 ――例えば、この世界。 地理的に見れば、自身が知る地球と殆ど変わらない世界。ただ大きく違うのはある化け物の存在。 吸血鬼。 呆れるくらいの剛力。呆れるくらいに頑強。 そんな死を知らぬ不死の化け物が夜を割拠する世界。 そんな世界も、あった。 ――例えば、この世界。 その世界自体は何の変哲もない極々平穏な世界。 違うのはその時代から二百年程過去に跳んだ時代――戦国時代と呼称される時代、この世界は妖怪が繁殖していた。 魔導生物とはまた一線を画す、異様な面貌を持った妖怪達が世界を包む。 そんな世界も、あった。 次元を越え、時を越え、何十何百という世界を観測した。 だが、その何十何百でさえも氷山の一角の中の、それまた一欠片でしかない。 それ程に世界は広かった。 そして何時しか、世界を観察することは息抜きと化していた。 全ての存在を超越する自分にこそ相応しい唯一の娯楽――それが世界の観測。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 研究、観察。 繰り返される同じ日々。しかし退屈と感じた事はない。 一日、また一日と壊れてしまった日々に近付いていくのが理解できたし、観察の方も飽きる事はなかった。 全く同じ世界は一つもなく、似通った世界も微細だが何処か違う箇所が必ず存在する。 気に入った世界の変化を見る事も楽しかった。 あの日々を取り戻す為の研究、何処までも広がる無限の世界達――――それらは、今まで感じた事のない充実感に満たされていた。 あの時とは違った意味で楽しいと思える日々が続いていく。 そんなある日のこと、私はその世界に出会った。 それは、今まで見た膨大な世界の中でも群を抜いて異質な世界。 その世界を理解する事は、未だに叶わない。 ただこの世界は後々自分が開催するバトルロワイアルに大きく影響する事となった。 今ではこの世界に感謝すら覚える。 ――世界は広い。 ――心の底から、そう思う。 □ 「…………この世界はあまり面白くないわね……」 ――最初は何の変哲もない退屈な世界だと思った。 舞台は地球。 その世界に妖怪や吸血鬼のような化け物は存在しない。普通の人間達が事件を起こすでもなく、平穏に生活する世界。 国によれば紛争や戦争などが行われてる所もあるが、その戦いに使用されている兵器も大した物ではない。 人型兵器の高速戦や、人外達の人知を越えた戦闘にはずっと見劣りした。 観察してても欠伸が出る程に退屈な世界。 強いて言うならば、高町なのはが居た世界から管理局や魔法という概念を取り除いた世界に酷似していた。 直ぐさま他の世界を観測しようとし――――気付いた。 「ん……? この映像は……」 ――最初その事実に気付いた時、純粋に驚愕した。そして数瞬後、内から這い出るように薄気味悪さが噴出した。 薄気味悪い――それは今までの人生で味わった事のない感情だった。 その感情は瞬く間に心を包み、身体を震え上がらせる。 訳が分からない。 異常だ。 有り得ない。 何故こんなことが起きている。 この世界は一体――? 頭の中を疑問符が埋め尽くした。 常に冷静であり続けた思考回路もこの瞬間に於いては全く機能せず、ただ押し寄せる混乱にオーバーヒートを続けた。 □ 壁一面に張られた、研究室随一の大きさを誇るディスプレイ。 研究時には様々なデータをその画面に映し出し、世界の観察時にはその世界の情勢を現す様々な映像を映し出す。 巨大なディスプレイを数十に細かく区切り、それぞれ一つ一つにありとあらゆる情報が映像となり流れ込むその光景は、まさに圧巻の一言。 その映像とは、平和な日常の風景であったり、人外共が戦闘を行っている光景であったりとまちまち。 この映像を眺めている時、まるでこの世の全てを掌握したような気持ちになる。 全てを超越した『観測者』。アルハザードは、自分にその権利をくれた。 ――そう、思っていた。この世界を見るまで。 その世界の異質さに気付いたきっかけは、何十に及ぶ映像の中のある一つの光景であった。 その映像とは、眼鏡を掛けた男がテレビを鑑賞している瞬間を捉えた物。 何の事はない何処にでもある光景。普通ならば視線を向けようともしない平凡な光景だ。 だが、その映像が自分の未来を大きく変化させることとなる。 その異質さの正体はその男が見ている番組にあった。 画面の中のそれまたテレビの中、一人の少年が叫んでいた。 『世界はいつだって……こんなはずじゃないことばっかりだよ!!』 聞いた事のある声。 聞いた事のある言葉。 我が目を疑った。我が耳を疑った。 画面の中の画面では確かにあの少年が――『クロノ・ハラオウン』が、叫んでいた。 何時の日か自分に投げかけた言葉を、全く同じ姿形で、全く同じ表情で、そっくりそのまま画面の中の画面にて叫んでいた。 「何なの、これは……」 無意識の内に手が動き、その映像を拡大していた。 巨大な画面一杯に広がる、テレビを鑑賞する男の姿。 眼鏡の男は無表情にそのテレビを見つめ、画面の中の画面の『クロノ』は怒気を含めた表情で叫んでいる。 映像をさらに拡大。 眼鏡の男は画面の外に消え、男が見ているテレビがディスプレイを埋め尽くす。 それと同時にテレビに映る『クロノ』から場面が転換される。次に映ったものは栗色の髪を触角のように纏めた少女。 こちらもまた見覚えのある少女であった。 ――『高町なのは』 あと十年後、その馬鹿げた潜在魔力を開花させ管理局のエースとなる天才魔導師。 その『高町なのは』が、まるで物語の登場人物のように画面の中に映っている。 それきり自分はその映像に釘付けとなった。 画面の中でいきいきと動く『高町なのは』、『クロノ・ハラオウン』、『フェイト・テスタロッサ』、『ユーノ・スクライア』、そして――『プレシア・テスタロッサ』。 まるであの時と同じように物語は展開されていき、あの時と同じように自分――『プレシア・テスタロッサ』が虚数空間に身を投じる。 まるであの時の事を丸々記録していたかのような映像。 この映像は一体――? 疑問が混乱と入り混じり頭が沸騰する。そして、それと同時にこの世界への興味が急速的に高まっていく。 ――何時しか世界の観察は、この謎の世界を中心に行われる事になっていった。 □ 本来の研究の片手間ではあったが、観察を続けることにより更に驚くべき事実が判明されていった。 何とこの世界では、自分が見てきた様々な世界が様々な媒体を通して記されているのだ。 アニメ、漫画、ドラマ、映画、書籍――媒体はそれぞれ違う。 だが確かに、次元を越えた世界の殆どがフィクションという形でこの世界に記録されていた。 例えば『魔法少女リリカルなのは』。 この物語は自分が経験した過去と一切違い無く、物語が進んでいく。 その後に制作されたらしい『魔法少女リリカルなのはA s』、『魔法少女リリカルなのはStrikerS』も同様。 自分が観測した世界とまるきり同じように物語が展開されていく。 そう、まさにこの世界こそが『観測者』。 ありとあらゆる世界を様々な媒体で記録していっている『観測の世界』。 それも制作者本人達は、自分が世界の記録している事を自覚していない。 無意識の内に物語を考え、それを作品として世に産み落とす。そしてその作品こそが、世界の記録となっている。 偶然なのか、それとも何かしらの力が影響しているのか? それは幾ら観測しても分からない。ただ、日に日にこの世界への興味が高まっていく。 気付けば研究に行き詰まった時、気分転換の意味を込めその世界を調査することが日課となり始めていた。 そしてそんな日々が続くこと数週間。再び大きな出会いがあった。 それは『観測者の世界』のネット上にあったあるサイト。 何処か明るい印象を受ける壁紙に、黄緑色の文字で大きな文字で名が記されている。 その名も『リリカルなのはクロスSS倉庫』――――これまた興味深い存在であった。 『リリカルなのはクロスSS倉庫』は、ある大型掲示板にて様々な書き手が書いた物語をまとめたサイトの名称である。 『リリカルなのはクロスSS倉庫』に収録されている何十にも及ぶ作品。 その内容は『クロス』という名の通り、色々な世界と『リリカルなのは』の世界がクロスオーバーした物が殆どであった。 一話で完結する短編もあれば、何十話と続く長編もあったりと種類は様々。作者が別ということもあり文章もそれぞれ違う。 作品によっては、高町なのはだけでなく自分さえも登場してくる物さえもある。 素知らぬ所で赤の他人により自分が文章化されている――――何とも不思議な感覚である。 それに加えこの膨大な作品量。 一日の全てを費やしたとしてもこの膨大な量は読み切れる物ではないだろう。 流石は『観測者の世界』と言ったところか。最早、思考の許容量を遥かに越えている。 この世界に何があろうともう驚く事はないだろう。 観察すれば観察するほど興味が湧いてくる世界。所詮は娯楽でしかないとはいえ 、その異質さは研究者としての探求心を多いにくすぐる物であった。 □ ――結果から言えば『リリカルなのはクロスSS倉庫』は自分に大きく貢献してくれた。 とある事情で開催を決心したバトルロワイアル。 その参加者を『リリカルなのはクロスSS倉庫』内の作品とリンクした世界から選出したのだ。 正直に言えば『リリカルなのはクロスSS倉庫』の作品達と適合する世界は流石に存在しないと思っていたが、やはり世界は広い。 大して労せずにそれぞれの世界は発掘できた。 様々な世界から集結した『高町なのは』達と関係する人々。 結果、戦闘機人や吸血鬼、妖怪、仮面ライダー、デジモン、ウルトラマン、プラント…………ありとあらゆる人外達を集められた。 だが、まだ足りない。 折角の遊戯なのだ。 盛り上がるだけ盛り上がった方が見てる側としても楽しめる。 まだまだエッセンスを付け足す必要があった。 まず考え付いたのが並行世界からの人物選出。 例えば『ゴジラという生物により家族を失った八神はやて』や『仮面ライダーなどの存在を知るフェイト・T・ハラオウン』などがそうだ。 次に考え付いた物がバラバラの時間軸からの参加。 これには『9歳の高町なのは』や『19歳の高町なのは』、『闇の書事件当時のシグナムやヴィータ』などが挙げられる。 アルハザードの力を得た自分だからこそ可能な神の所行。 これら二つのアクセントにより参加者は混乱し、その混乱は殺し合いを経て疑心へと変化する――――絶望犇めくゲームは一層面白みを増す筈だ。 そして最後に付け加える取って置きのエッセンス。 それは『リリカルなのはクロスSS倉庫』の情報を参加者に与える事。 名は『CROSS-NANOHA』――――このバトルロワイアルに参加させる『リリカルなのはクロスSS倉庫』内の作品群をタイトルだけ変え、丸々写したサイトだ。 ――だが例外もある。 『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』、『リリカルなのは 闇の王女』この二作は『CROSS-NANOHA』に収録していない。 これら二つの作品からは『八神はやて』、『ゼスト・グランガイツ』の二名が参戦している。 『八神はやて』と『ゼスト・グランガイツ』の二人は、『リリカルなのはクロスSS倉庫』に収録されている数々の作品でも、滅多に性格が変わる事のない存在だ。 『八神はやて』は機動六課の司令塔として、『ゼスト・グランガイツ』は悩める復讐者として物語に関わってくる。 しかし『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』、『リリカルなのは 闇の王女』内の二人は違う。 『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』の『八神はやて』は他と比べて精神的にも非常に危うい女。 『リリカルなのは 闇の王女』の『ゼスト・グランガイツ』は高町なのはに病的なまでの殺意を持つ男。 本来の性格とは大きくズレているのだ。 その性格のズレは殺し合いという異常な世界では必ず火種となる。その火種は何時しか大火となり惨劇を生む筈だ。 だが、もし『CROSS-NANOHA』に『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』や『リリカルなのは 闇の王女』が収録されていたら、その大火が消火される可能性が出れくる。 それではつまらない。 火種は消えるべきではない。より激しい大火に変貌しなくてはいけない。 ならばどうする? ――簡単な事だ。 『八神はやて』と『ゼスト・グランガイツ』の情報を与えなければ良い。 幸いな事に、『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』と『リリカルなのは 闇の王女』の二つの世界からはこの二人しか参戦させていない。 情報を渡すより隠蔽した方がよりメリットが高い――――そう判断し『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』と『リリカルなのは 闇の王女』、この二作を『CROSS-NANOHA』に収録する事は取り止めた。 だがこの二人の情報が収録されていないとはいえ『CROSS-NANOHA』の情報力は絶大。 それぞれの物語を読めば、参加者の能力、実力、性格が把握可能になり、明確に有利な立場を得ることとなる――この殺し合いの場に於いては最強の武器となる筈だ。 そして何より自分が味わった混乱を彼等自身も体験する。 自身の行動が文章として存在されている――――その事に気が付いた時、彼等はどのような反応をするのか? 次元や時を越えた世界を知っている自分でさえ底知れぬ薄気味悪さを感じたのだ。 無知な彼等には相当な衝撃が走るだろう。 そして、その事は殺し合いに何かしらの影響を与えるのか? 興味は尽きない。 ――とはいえ、簡単に情報を与えるのは面白みに欠ける。 それにLやルルーシュという、自分以上の頭脳を持つだろう参加者も居る。 そんな参加者にみすみす情報を与える事は、バトルロワイアルの進行に大きく影響する可能性も出てくる。 情報を上手く活用するだけの頭脳を持ち、尚且つ殺し合いに乗りそう参加者――――最適な人物は程なくして見付かった。 その名はキング。 残忍であり無邪気という危険な性格、仮面ライダーと同等以上に戦える実力、何より人を陥れる策を考え出す悪魔のような頭脳。 その三つを兼ね備えた、情報を与えるにはこれ以上ない好条件を持った参加者である。 幸運な事にキングには携帯を持ち歩く癖があるらしい。 その携帯を『CROSS-NANOHA』に繋がるよう細工すれば情報の受け渡しも簡単。 これだけ有能な情報をキングが易々と手放す事もないだろう。 キングなら『CROSS-NANOHA』を有効に使ってくれる筈。 精々楽しませて欲しいものだ――。 斯くして準備は整い、遊戯は開催された。 今尚、参加者達は狭い箱庭の中で戦い続けている。 死者は十二人。これだけの人数が死んだにも関わらず、ゲームはまだ序章の段階を抜けない。 参加者にとってはこれ以上ない密度の六時間だっただろう。 まだまだ希望に満ち溢れた参加者もいれば、絶望に押し潰され掛けている参加者もいる。 さてこの箱庭に自分の放送を加えた時、この遊戯はどう変化するのか。 「精々頑張ってちょうだい」 ――――女は最後にそう呟き部屋を後にする。 強大な力を得た全てを超越する魔導師。 次元を超越し、全ての世界を見透かす観測者の世界。 二つの超越が交錯した時、悲劇の舞台の幕があがった。 哀れな出演者達は、超越者を観客に終わらぬ演劇を演じ続ける――。 【1日目 早朝】 【現在地 ???】 【プレシア・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】 【状態】健康 【装備】??? 【道具】??? 【思考】 基本:バトルロワイアルを見届ける。 1.放送を行う。 Back それは最悪の始まりなの プレシア・テスタロッサ Next 第一回放送